Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9.6 は、インテリジェントな機能、エキスパートによるサポート、および高度なツールを備えた柔軟な基盤を提供します。インフラストラクチャの規模に関係なく、開発からデプロイに至るアプリケーション管理を効率化します。強化されたセキュリティ機能、コンプライアンス認定、スマートな脅威検出により、自信を持ってシステムをモダナイズできます。強力なエコシステムを持つ RHEL 9.6 はデプロイを加速し、構成を単純化し、安全な未来を実現します。
RHEL Lightspeed
RHEL Lightspeed は、数十年にわたる RHEL の専門知識と AI を組み合わせて、Linux プロフェッショナルの作業を単純化し、プロアクティブなガイドを提供します。
- コマンドラインアシスタント:RHEL Lightspeed を活用したこの機能では、自然言語を使用してターミナル内で直接質問し、即座に回答、推奨事項、エキスパートによるガイダンスを得ることができます。AI を活用したヘルプを RHEL 9.6 のコマンドラインで使用できるので、新任管理者の複雑なタスクを単純化し、経験豊富な管理者の効率を向上させることができます。
- Red Hat Insights Image Builder のパッケージ推奨:この機能は、RHEL Lightspeed を活用して、イメージをビルドする際にインテリジェントなパッケージ提案を提供します。これにより、情報に基づいた意思決定を早期に行うことができ、重要なコンポーネントを見逃すリスクを減らし、より完全で機能的なイメージを提供することができます。
RHEL 向けの Red Hat Insights プランニング
Red Hat Insights プランニングでは将来のロードマップとパッケージのライフサイクルデータにアクセスできるので、自信を持って意思決定を行うことが可能になります。今後の変更、サポートされている機能、非推奨化を視覚的に確認できるので、確信を持って新しいイメージを構築し、長期的な戦略に合わせてシステムを調整することができます。
開発者向けの新機能と機能強化
RHEL 9.6 では、開発者向けに次のような機能強化が行われています。
- PHP 8.3:新しいコア言語機能、Argon2 パスワードアルゴリズムのサポート、日付拡張におけるエラー処理の更新、Redis および Valkey データベース用の php-pecl-redis6 パッケージが含まれています。
- NGINX 1.26:バグ修正、サーバー単位の HTTP/2 サポート、仮想サーバーと接続受け渡しに対するストリームモジュールの強化、起動パフォーマンスの向上が含まれています。
- Git 2.47:reftable バックエンドのサポートによる効率的な参照管理、疑似マージビットマップの導入によるフェッチ操作の最適化、インクリメンタル・マルチパック・インデックスの追加による更新効率の向上。
- Maven 3.9:一般的な修正、改善、Maven 4 からのバックポートが含まれ、Maven 2 の後方互換性が削除されています。
- MySQL 8.4:有効期限、長さ、および強度のポリシーなど、パスワード管理の機能が強化されています。また、新たな認証の改善と、バージョン互換のバックアップも含まれます。
- Microsoft Windows Subsystem for Linux (WSL):従来の仮想マシンを使用せずに Windows で RHEL 開発環境を実行できます。
RHEL のイメージモード
イメージモードは、コンテナ・テクノロジーを活用してオペレーティングシステム (OS) の構築、デプロイ、管理を行うための一貫性のあるアプローチです。これにより、アプリケーションと同じツールやワークフローを使用して OS を管理できるようになり、チーム間でエクスペリエンスの統一が促進されます。RHEL 9.6 では、パッケージモードとイメージモードの両方を使用できます。
RHEL イメージモードのコンプライアンス強化
STIG、PCI、CIS などのセキュリティ強化プロファイルをパッケージモードとイメージモードの両方で一貫して適用できるようになっており、イメージの構築方法に関係なくコンプライアンスを単純化できます。
自動化と運用管理
Red Hat Enterprise Linux は、タスクを単純化し、デプロイメントを標準化し、管理を効率化するために、継続的に自動化と管理を強化しています。ここでは、特に重要な管理タスクの実行を RHEL がどのように支援できるのか、最新の方法をいくつか紹介します。
イメージビルダー
RHEL イメージビルダーのユーザーインタフェースが Insights イメージビルダーに合わせて調整され、新しいカスタマイズオプションと統合が提供されています。ブループリントの共有をサポートし、パブリッククラウド、仮想、ベアメタル、およびマイクロソフトの WSL2 向けに高度にカスタマイズされたイメージを作成することができます。
Web コンソール
Web コンソールに、Cockpit パッケージをインストールしなくてもリモートシステムを管理できる「パッケージレスセッション」が導入されました。また、ファイル編集用のテキストエディター、Stratis ファイルシステムのサイズ制限設定、RHEL および RHEL 高可用性クラスタの統合管理も備えています。
システムロール
- AIDE:データベースの初期化や整合性チェックなど、Advanced Intrusion Detection Environment のインストールと設定を自動化します。
- Podman:Pod 管理用の Quadlet をサポートし、Podman 設定を強化します。
- systemd:管理と構成を自動化するための systemd ユーザーユニットのサポートを追加します。
RHEL ワークロード
- SAP アプリケーションサーバー向けに単純化された HA クラスタのマウント構造:SAP アプリケーションサーバーのインスタンスを管理するために HA クラスタのマウント構造を単純化し、フェイルオーバー時の複雑さを軽減します。
- SAP HANA クラスタ向けの統合 HA リソースエージェント:SAP HANA のスケールアップおよびスケールアウトデプロイメント用の統合リソースエージェントを導入し、RHEL HA ソリューションの管理を単純化します。
暗号化 DNS
米国政府による OMB の義務化に従い、RHEL 9.6 では暗号化 DNS を導入して情報の機密性、整合性、信頼性を維持し、内部データを非公開にすることでセキュリティを強化しています。
Insights によるドメイン参加
クラウドベースの ID 管理を使用している場合、ドメイン結合機能を使用すると新しいイメージを簡単にドメインに追加できます。Insights や Red Hat Hybrid Cloud Console からアクセスできるこの機能は、自動ディスカバリーを実行し、手作業を削減します。
関連資料
Red Hat Enterprise Linux 9.6 は、RHEL 9 シリーズの強みをさらに高めるイテレーションであり、インフラストラクチャと開発のための信頼できる柔軟な基盤を提供します。RHEL 9.6 リリースの詳細についてはこちらをご覧ください。
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執筆者紹介
Gil Cattelain is Principal Product Marketing Manager for Red Hat Enterprise Linux. Cattelain has more than 20 years’ experience as a leader in high-tech software product marketing with a proven track record of managing major product releases and go-to-market strategies. Prior to Red Hat, Cattelain held product marketing leadership roles at Micro Focus, Novell, and Genesys, focusing on the endpoint management and DevOps/agile solutions, including digital marketing for the contact center market.
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