Red Hat Ansible Automation Platform のライフサイクル

Ansible Automation Platform のライフサイクル

概要

Red Hat Ansible Automation Platform (AAP) サブスクリプションの一部として、お客様はオンプレミスパッケージのサポート対象バージョンおよび Red Hat Hybrid Cloud Console で提供されるホスト型 Ansible サービスにアクセスできます。Red Hat は、お客様とパートナーの皆様がオンプレミスの自動化クラスターの計画、デプロイ、サポート、保守を適切に行い、Ansible Automation Platform サブスクリプションの一部として使用する Red Hat Hybrid Cloud Console Ansible のホスト型サービスを運用できるように、 Ansible Automation Platform の製品ライフサイクルを公開しています。

お客様には、お使いの Ansible Automation Platform 環境を該当製品のサポートされる最新バージョンに適宜アップグレードすることが推奨されます。セキュリティーリスクの高いものに関する例外の可能性を除けば、機能およびバグ修正は製品の最新バージョンのみが対象になります。

このライフサイクルページでは、Ansible Automation Platform のバージョン、依存関係、および管理対象について、概要と詳細な説明を提供しています。

ライフサイクルの日付

Ansible Automation Platform のライフサイクル

対象範囲

サポートは、公開されている Red Hat Enterprise Agreement の「Appendix 1」の対象範囲に従った使用に対して提供されます。

Red Hat のエンタープライズ製品が備える高い安定性を維持しつつ、新たなテクノロジーの迅速な採用を促進するため、Red Hat Ansible Automation Platform の製品ライフサイクルは、以下に説明されているように 3 つのメンテナンスフェーズに分けられます。

運用フェーズ

ライフサイクルフェーズ
説明 フルサポート メンテナンスサポート 1 メンテナンスサポート 2 Extended Life-cycle Support アドオン
評価済みの影響度が「重大」のセキュリティー修正 はい はい はい はい 3
重大度1によるバグ修正 重大度が「重大」および「重要」の問題 重大度が「重大」の問題 いいえ いいえ
セキュリティーエラータ (RHSA) の随時リリース はい はい はい いいえ
バグ修正エラータ (RHBA)2 の随時リリース はい はい いいえ いいえ
一部のソフトウェア機能拡張 はい いいえ いいえ いいえ

次の画像は、AAP リリースでデフォルトになっているか、表 1.0 AAP リリースライフサイクルに従って AAP で使用できる Ansible Core バージョン間の関係を示しています。

現在の AAP と Ansible Core のライフサイクル

画像 1.0 - 現在の AAP と Ansible Core のライフサイクル

Ansible Automation Platform のインストール要件

次の表は、Ansible Automation Platform のオペレーティングシステムとデータベースの最小インストール要件を示しています。

AAP バージョン デフォルトの Ansible-core 1 Operator に必要な OCP バージョン RHEL が提供する PostgreSQL バージョン RPM インストール OS コンテナー���された OS
2.5 ansible-core 2.16 4.12-4.18 15 RHEL 8、RHEL 9 RHEL 9
2.4 ansible-core 2.15 4.10-4.17 (4.18 は 2025 年 6 月下旬を予定) 13 RHEL 8、RHEL 9 RHEL 9 (テクニカルプレビュー)

表 1.2 - オペレーティングシステムとデータベースの要件

1. Ansible-core プラットフォームバージョンは、ライフサイクルのサポートのために AAP の インストール操作 に必要な Ansible Core のバージョンで、プラットフォーム内の Core のデフォルトバージョンです。 Core のデフォルトバージョンは、アタッチされているプラットフォームバージョンのライフサイクル全体にわたってサポートされます。

2. AAP のバージョンは 2.5、2.4 などです。内部のコンポーネントとサービスはリリースごとにバージョン管理され、独立してバージョンアップされます。たとえば、既存のクラスターでインストーラーを実行すると、そのリリースのインストーラーのコンポーネントのみが更新され、変更された各コンポーネントが独立して バージョンアップされます。

サポート範囲

お客様提供のデータベース

お客様が提供するデータベースに対して、商業的に妥当な範囲でのサポートが提供されます。フルサポートによる解決のために、出荷されたデータベ上で問題を表示するよう要求される場合があります。

Ansible Automation Platform では、標準的なアクティビティーがサポートされますが、以下に示すとおり、サポート対象外の共通の除外項目もあります。

サポート対象の操作 サポート対象外の操作
インストール データベースのレプリケーション/フェイルオーバー
アップグレード プラットフォームと統合された外部アプリケーション (サードパーティーのロガー、ロードバランサー、認証など)
バックアップ/復元 カスタムコンテンツ/コレクションの開発とデバッグ
標準設定 カスタム設定
用途 (API と UI) カスタム API 統合
操作 カスタムコンテンツ

お客様提供の Kubernetes - コンテナーグループのみ

Ansible Automation Platform コントロールプレーン (Red Hat がサポートするプラットフォーム上で実行) と、Amazon EKS、Azure AKS、または Google Cloud GKE で実行される実行プレーン (コンテナーグループ) を組み合わせて活用したいお客様向けに、商業的に妥当な範囲でのサポートが提供されます。

クラウド Kubernetes サービスは、デプロイされる AAP バージョンでテストされた、サポート対象の OpenShift リリースに一致する Kubernetes API バージョンを実行している必要があります。サポート対象の OpenShift バージョンについては前述の表 Ansible Platform のサービスとコンポーネント を、 OpenShift バージョンと対応する Kubernetes API バージョンについては https://access.redhat.com/solutions/4870701 を参照してください。

OS および実行環境イメージとサポートされる Ansible Core バージョン

Ansible Core は、実行環境イメージを使用することで Ansible Automation Platform で利用できるようになります。お客様の自動化ニーズを満たすために、さまざまなバージョンの Ansible Core が含まれる実行環境イメージを 提供しています。以下はその例です。

  • Ansible Core 2.16 を搭載した EE - AAP 2.5 のデフォルトバージョン。RHEL8 のライフサイクル全体にわたるサポートが可能。AAP 2.5 のライフサイクル全体でサポートされる安定版です。
  • Ansible Core 2.18 を搭載した EE - 最新機能を活用できる最新の Ansible Core。AAP 2.5 のライフサイクル全体でサポートされる安定版。
  • Ansible Core 2.17 を搭載した EE - お客様をその時点での最新版に移行するための暫定リリース。
  • Ansible Core 2.15 を搭載した EE - AAP 2.4 のデフォルトバージョン。AAP 2.4 のライフサイクル全体にわたってサポートされる安定版。

“偶数” で終わる Ansible Core バージョンについては長期のライフサイクルを安定的にサポートし、“奇数” で終わる Ansible Core バージョンについては図 1.0 に示すように短期のライフサイクルを提供することを目的としています。

バージョンありおよびバージョンなしの実行環境イメージ

すべての実行環境イメージは、 catalog.redhat.com に 公式かつサポート対象のソースとしてリリースされます。バージョンりの EE は、名前空間によって Ansible Automation Platform のバージョンにロックされますが、バージョンなしの EE はどのバージョンにもロックされず、すべてが ansible-automation-platform 名前空間にあります。

バージョンありの EE バージョンなし EE
  • 明示的な AAP バージョンでタグ付けされています (例: registry.redhat.io/ansible-automation-platform-25/ee-supported-rhel8)。
  • 特定バージョンのイメージと AAP バージョンを名前空間として明示的に参照します。
  • 安定性と予測可能性: イメージの内容は固定されているため、一貫性が求められる実稼働環境に最適です。
  • ライフサイクルはそのバージョンに関連付けられています。特定の AAP/Core バージョンに対して定義されたサポートおよびメンテナンスのライフサイクルに従います。
  • 新しいタグ付きバージョンをプルした場合にのみ更新を取得します。
  • デプロイメント全体で正確な動作を必要とする制御された環境に最適です。
  • 特定の AAP バージョンなしでタグ付けされています (例: registry.redhat.io/ansible-automation-platform/ee-supported-rhel8)。
  • ローリングタグとして機能: 常に、そのストリームに対して Red Hat が公開した最新のサポート対象 EE イメージを指します。
  • 自動更新: 新しいマイナーバージョンまたは修正がリリースされると、このタグの背後にあるイメージが変更される場合があります。
  • ライフサイクルとサポートは、対応する Core バージョンと一致します。このイメージは、更新の動的追跡のみ行います。
  • 開発、テスト、またはタグを手動で更新せずに最新の状態を維持したい場合に最適です。

次の表は、サポートされているコントロールノードとマネージドノードの範囲の詳細を示しています。Ansible Core ごとのサポート対象の日付については、AAP ライフサイクルの表 1.0 と画像 1.0 を参照してください。

Ansible Core バージョン 実行環境 (EE) イメージ EE ベース OS コントロールノードの Python バージョン マネージドノードの Python バージョン (2) マネージドノードの PowerShell バージョン (1) サポート対象のマネージド OS(RHEL)
2.18 ee-minimal-rhel8, ee-minimal-rhel9, ee-supported-rhel8, ee-supported-rhel9 RHEL 8, 9,10 3.11 – 3.13 3.8 – 3.13 5.1 RHEL 9 – 10
2.17 ee-minimal-rhel8, ee-minimal-rhel9, ee-supported-rhel8, ee-supported-rhel9 RHEL 8, 9,10 3.10 – 3.12 3.7 – 3.12 5.1 RHEL 9 – 10
2.16 ee-minimal-rhel8, ee-minimal-rhel9, ee-supported-rhel8, ee-supported-rhel9 RHEL 8, 9,10 3.10 – 3.12 2.7, 3.6 – 3.12 4 – 5.1 RHEL 7 – 10
2.15 ee-minimal-rhel8, ee-minimal-rhel9, ee-supported-rhel8, ee-supported-rhel9 RHEL 8, 9 3.9 – 3.11 2.7, 3.5 – 3.11 4 – 5.1 RHEL 7 – 9

表 1.2 - コントロールノードとマネージドノードのサポート範囲

1. RHEL の場合は必ず、管理対象のバージョンに応じて ansible_python_interpreter を正しい Python パスに設定して、Ansible と Python の依存関係が、実行予定の自動化ユースケースに適した依存関係になるようにする必要があります。

2. Windows Server バージョン 2016、2019、2022、2025 (Ansible Core2.18 以降が必要) がサポートされています。WDAC が有効になっている Windows Server は現在サポートされていません。OpenSSH は、Windows Server 2022 以降および Ansible Core 2.18 以降でサポートされています。さらに、デスクトップ/ラップトップデバイスおよびサポートされるオペレーティングシステム (Windows 10/11 など) のデスクトップバリアントを実行するデバイスは、合意された条件でサポートの例外が認められた場合を除き、商業的に妥当な範囲でのサポートの対象とはなりません。

その他のオペレーティングシステム サポート対象の EE または Ansible コントロールノード サポート対象のターゲット
(3)IBM オペレーティングシステム Ansible Core バージョン 2.15 以降 OpenSSH が有効な IBM Open Enterprise SDK for Python 3.11 以降
IBM z (z/OS)
IBM i
IBM AIX
Arista EOS Cisco IOS、IOS-XE、IOS-XR、NX-OS Juniper Junos OS VyOS 要件やベンダードキュメントについては、Ansible Collection を参照してください。
Ubuntu (x86_64 のみ) AAP ライフサイクルに準じる
追加のオペレーティングシステム (例: リストにない RHEL バリアントなど) 商業的に妥当な範囲でのサポート (つまり、サポート対象プラットフォームで問題を再現できる場合) に限定

表 1.3 - その他のオペレーティングシステムのサポート

3.IBM が管理するノードは IBM によってテストおよびサポートされており、IBM との有効なサポート契約が必要です。詳細は以下を参照してください。 IBM オペレーティングシステムとコンテンツにおける Ansible サポート

Ansible コレクション

Red Hat Ansible Automation Platform (AAP) では、ほとんどの自動化が Ansible コレクション を通じて実現されます。つまり、ターゲットシステム (または "エンドノード") を自動化する場合、タスクはその特定のプラットフォームまたはテクノロジー専用に構築されたコレクションを使用して実行されます。

その結果、指定されたエンドノードの自動化の ライフサイクルとサポート は、 その管理のために使用される 個別の Ansible コレクション によって 制御されます。

以下はその例です。

  • Red Hat OpenShift の自動化は、 OpenShift コレクション を通じて管理され、 そのライフサイクルに従います。
  • Microsoft Azure の自動化は、 Azure コレクション を通じて管理され、 そのライフサイクルに従います。
  • Cisco ACI の自動化は、独自のライフサイクルを定義する Cisco ACI コレクション を通じてサポートされます。
  • NetApp の 自動化は、独立したライフサイクルを持つ NetApp コレクション を通じて処理されます。

このモデルは、 Ansible Automation Platform 自体のサポートやライフサイクルには影響しない ことに注意してください。 使用されている個々のコレクションにかかわらず、Red Hat はこのプラットフォームをフルサポートの対象としています。詳細は、個々のコレクションのライフサイクルを参照してください。